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【映画レビュー】実は社会問題作!『天気の子』が突き付けた日本の闇

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管理人NORI

どうも管理人のNORIです。

 

 

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いまだに興行収入を伸ばしている、2019年の大ヒット映画「天気の子」。

天気の子は見るたびに、新しい発見や小ネタがあって何回も見たくなりますよね!

 

そんな天気の子ですが、論評サイトや雑誌でも十分に「触れられていない点」があります。

天気の子は秀悦なエンタメ作品でありながら、社会問題作でもあるという点です。

 

なぜ天気の子が社会問題作なのか?

映画で何が露呈されたか。

じっくり解説をしていきたいと思います。

注意 この記事は、物語の描写や小説版を考察しているのでネタバレが嫌な方は見ないでください

残酷な日本を描いてしまった新海ワールド

天気の子は、前作「君の名は」同様にリアルな東京の風景が描かれます。

実写と思うようなリアルな描写と閉じた世界観や人間関係、空想世界を融合させることで独自の世界観=新海ワールドを作っているのが特徴ですよね。

 

しかし、今回は残酷なまでに東京、日本の闇が描かれました。

 

前作の三葉が見た輝かしい憧れの東京と違う負の側面、ダークサイドです。

説明していきます。

上京から陽菜との最初の出会いまでのシーンの描写

物語のはじまりは、主人公・穂高が離島から東京に家出をしてきたことから始まります。

 

離島の閉塞感から求めていた光を求めて東京に家出をした穂高。

 

しかし、彼が待っていたのは光が差し込まない東京の冷たさでした。

 

陽菜と出会うまで以下のシーンが続きます。

 

16歳の家出に関心を持つことなくすれ違うだけの群衆。

漫画喫茶に寝泊まりをして僅かな空間と、なけなしのお金で生活をしてバイトを探す穂高。

その穂高の知恵袋の質問に対し心ない回答をするネット民。

軒下で雨宿りをする穂高に、冷たくどかす金髪ピアスの男に転ばされるシーン。

偶然拾った紛失した拳銃。

 

これらの描写の後、陽菜が穂高に内緒であげたビックマックに、映画を見ている人は感動を覚えます。

 

物語の重要な出会いの場面に繋がる流れですが、皆さんはどうのように感じましたか?

 

一連の描写に疑問に思わず、陽菜の行為にすごい優しさを感じた人が多いと思います

 

しかし、そうした行為や描写を普通に感じてしまうほど私たちは狂った世界に住んでいる証左なんです。

狂った世界はアニメだけじゃない。

作品の後半で、面積の3分1が変わってしまった東京で啓介は穂高にこの世界は「もともと狂っている」と言います。

 

狂っている世界とは、天気が変わる前の東京、つまり冒頭のシーンの描写の東京を指しています。

 

考えてみれば、16歳の未成年が深夜に彷徨う事も、ネット喫茶に生活をしている事、拳銃が当たり前に流出してしまっていることも異常なはず。

 

実際にこのような事は、現実は私たちのすぐ近くにあります。

そして、大きな社会問題になっていることを私たちは知っています。

 

しかし、こうした事実を違和感なく普通に受け入れてしまう感覚がすでに狂っているのです。

その共通認識があるから事実であるからこそビックマックのシーンに感動を覚えてしまうのです。

 

現実では店員が、無料で見ず知らずの客にハンバーガーを渡す人は絶対にいません。

 

今もなおファーストフードには穂高のような客が、喧噪にまぎれて他の客や店員からスルーをされているのではないでしょうか。

 

だからこそ、穂高が感じた16年の人生で1番の食事というビックマックを食べるシーンが象徴的な効果を持つのです。

 

このシーンを見ると、無関心が社会を覆う日本を直視しているようで、やるせなくなりました。

またこのシーンの後にも、様々なシーンが今の社会情勢とリンクして描かれます。

 

陽菜の年齢を偽ってのバイト、性風俗に飛び込もうとしたこと、穂高のブラックバイト、夏見の就活・・・

 

すべて日常として感じるほどこの様な社会問題が常態化されていることに改めて驚きます。

アニメを鏡にして日本の病巣を映し出してしまったんです。

 

もっともこの描写は陽菜の聖という部分、神格性を高める演出ではあると思います。

聖と俗を描いたのでしょうが俗があまりにリアルすぎて私には応えました。

気候変動デモが小規模に留まった日本

また、見逃していけない点があります。

 

天気の子のストーリーは新海誠監督が昨今の地球温暖化、気候変動に着想を得た事から作られました。

 

そして不思議な事に映画とリンクをする形で私たちは、台風の甚大な被害や天皇即位の礼の虹など天気、自然の猛威や神秘を作品の様に追体験する出来事がおこります。

 

しかし、それでもなお日本では、特に作品を支持している10代や20代で気候変動の問題に関心が増えたというのがSNS上やメディアで見られません。

 

アメリカでは舞台挨拶の際、気候変動に関して新海監督は質問攻めにあいます。

 

それだけ作品のテーマである気候変動に、関心が高いからです。

しかし、日本ではあまり論点になりません。

音楽を手掛けたRAD WIMPSやキャラクターの可愛さ、舞台の聖地巡り、作品に出てきた料理に話題が集中。

 

作品のテーマについて議論や話題がないことは、明らかに異常だと思います。

自分の国のヒット作で、気候変動がテーマにあるにも関わらずなぜ関心がもたれないのか。

 

気候変動デモがニューヨークやパリで多くの若者が参加する一方、日本ではほどんど盛り上がりがない。

この気候変動の問題を考える上で最高の教材があるのに、他の国の様に議論や行動が起きません。

 

今の日本を表していると思います。

 

日本では若者の政治離れというのが大きくクローズアップされているのが浮き彫りになった格好です。

この作品の上映によりそれがより一層露呈されてしまいました。

最後のシーンに込められた思い

この作品のハイライトは天気の巫女の代償に、聖天をした陽菜を天気を犠牲に陽菜を選択したシーンでしょう。

天候が狂ってしまった雨が支配する世界で、それでも「大丈夫」だと手を取り合い再会する2人。

 

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自分たちの運命や世界を肯定して生きろという最大限の応援歌としてRAD WIMPSの曲と共に流され大きく感動を呼びます。

これは私は、日本が沈没している未来が待っていても、それでも手を取り合って自分を信じて前に全力で駆けてほしいという事だと解釈しました。

 

酷な未来がわかっても大丈夫という楽観性を持ってほしい。

無関心の殻を打ち破って、自分の貫きたい事、信じる事をトライしてほしいというメッセージなのです。

自分の祈りの代償を受け入れそれでも生きていく

最後に私がすごい深く考えさせられたシーンの考察を紹介します。

 

陽菜が高校生の制服姿で海に沈んだ街に祈るシーンがあります。

小説でも何に対して祈っていたか、願っていたのかが明言されていません。

 

しかし、祈る彼女に穂高は尊いと感じ、世界がどんな形になろうとも共に生きていくという決心が小説版には書かれています。

 

このシーンは私はこう考えます。

 

穂高と陽菜が2人で壊してしまった最大限の幸福よりも自分たちの願いを貫いた懺悔の儀式だと。

2人はお互いが出会うまで、それぞれ誰かに必要とされることを渇望していました。

それが、天気の子のバイトです。

 

彼らは、当初生活費を稼ぐためでした。

しかし、いつしかそれはお金ではなく誰かの感謝のため、必要とされていることに生きがいを見つけます。

 

そんな彼らが望んだのは多くの幸せよりも自分たちの願いでした。

その2人が初めて自分たちが壊してしまった多くの幸せと向き合い生きてくと決めたんだと感じました。

 

喜びの中と悲しみが凝縮されたシーンだと思います。

 

社会がどんな風に変わっても、どんなにつらくても2人で生きていく。

 

現実もこれから先、予測ができないほど世界は急速に変化していくでしょう。

5GやAIで労働環境が変化し人口減少は進み、自然災害も多発、米中を中心とした新たな国際秩序という誰も見た事のない未来。

 

それでも強く生きてほしいという新海誠監督からの厳しくも優しいメッセージをこの作品から感じました。

 

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管理人NORI

いかがでしたでしょうか。

今回は、天気の子を管理人目線で考察をしてみました。

 

この記事を読んでなぜ、あなたはエンタメを純粋に楽しめないのかと思った人もいるでしょう。

 

しかし、この天気の子は気候変動をテーマに物語が作られました。

これを論じないことは、ゴジラでいえば放射能の脅威、寅さんでいえば柴又の町を語らないのと一緒です。

 

作品の重要な構成要素を見過ごすことになります。

エンタメとして作品を音楽をキャラクターを楽しむのはもちろん大事です。

 

同時に今日指摘したような問題も若い人で議論されるようになればいいなと思いました。

 

ここまでブログを読んで頂きありがとうございました。

もしよければ感想をお待ちしております!

この記事を書いた人

NORI

生粋の道産子。目標は社会をより良くすること。現在32歳。大学卒業後、インフラ企業に就職。約9年働く。退職後、現在は中国在住。総合旅行業務取扱管理者、柔道初段など資格多数。旅と音楽とボランティアが好き。